【誰もやりたがらないこと】に宝の山は眠っている。

はじめに

働いていると、うわっ、この仕事はやりたくないなぁ。ってことありませんか?

大変そう、終わらなそう、つまらなそう、そういう仕事ってありますよね。

そんなことばかり!なんて人もいるかも知れません。

今回は”辛そうな仕事に出会ったならチャンスかも?!こんなにおいしいことはない!?”そんなお話です。

宝の山で連想すること

ゲームは昔から苦手なんですが、瞬発力が問われないドラクエのようなRPGであれば私にもできたので好んでやってました。

その中で好きだったゲームの一つにディープダンジョン 魔洞戦記というゲームがあります。

魔王に姫が拐われ、勇者ルウが魔王を倒しに行って自分が魔王に取って代わるというミイラ取りがミイラなゲーム。

途中、ルウの剣や鎧が襲いかかってきて、倒すと手に入るというなかなかおもしろいゲームでした。

でも一番印象に残っているのはダンジョン内のところどころに落ちてるゴミの山。

ゴミを漁ると宝の山が現れる。これが妙に嬉しかった記憶あります。

私が経験した誰もやりたがらないこと

話を戻しまして。

世の中の人がなかなかやりたがらない仕事として、私が経験した2つの事業を紹介します。

製造業|金型製造

新卒入社した会社は製造業ベンチャーINCS、メインテーマは金型製造。

金型といえば世界に誇るMade in Japan品質を担保していたキーパーツ、日本のお家芸と言われていました。

しかし、金型製造の現場は・・・

東京/蒲田に代表されるような下町の零細企業が支え、従業員はせいぜい多くて10名前後。

学歴は不問で主に中卒、高卒の若者が10年かけて体で憶える一子相伝の世界。

薄暗い工場で、灰色の作業着着て、鉄板の入った靴履いて、油まみれになるイメージでしょうかね。

現場作業の辛さは3K(きつい、汚い、危険)という言葉で表現されていました。

IT産業|ソフトウェアテスト

製造業ベンチャーを飛び出して創業に参画したSHIFT、試行錯誤期間あり、行き着いたテーマはソフトウェアテスト。

製造業出身の私にとってITの品質保証はかなり遅れているように映りました。

日本のソフトウェアは独自のSI文化にも関わらず、テストエンジニアなる確固たる職業も当時はありませんでした。

テスターの大半が派遣、もしくは自社バックオフィス人材、取りまとめるのは(失礼な表現ですが)開発落ちした人材でテストしているという状況。

IT業界の辛さは、新3K(きつい、帰れない、給料が安い)という言葉で表されてました。

共通項は下流工程であること

共に下流工程であり、人気のある、華やかな存在とは決して言えるものではありませんでした。

金型製造は製品企画、デザイン、設計などの上流工程に対して下流工程である。

ソフトウェアテストも、要件定義、設計、実装などの上流工程に対して下流工程である。

下流工程をやりたがらない理由

ルーティーンワーク
(≒飽きる)

ルーティンワークは決まった手順で繰り返し行われる定常作業、あるいは日常の仕事をいう。生産工場で決められた作業手順により、1台1個ごとに繰り返し行われる作業、あるいは始業前の準備、終業時の整理整頓のように毎日決められた手順で行う作業などをいう。

ルーティンワークとは?

下流工程は、上流工程が生み出したアイデアをある程度決まった手順で繰り返し行う、多少自由度はありますが基本的に決められたことを処理する定常業務と言えます。

報酬が低い

上流=クリエイティブ=特殊スキル=限られたの人にしかできないタスクは需要は高いので報酬も高い傾向にあります。

対してルーティンワーク≒誰でもできる。故に報酬はどうしても低くなります。

タスク量が膨大になっても、緊急性が問われても永続的に賃金を押し上げる理由にはなりません

遅れのしわ寄せを吸収
(≒辛い)

計画は往々にして遅延するものです。特に上流工程はまだ形がないものを少しづつ形作っていくタスクなので工数が読みづらいのは確かです。

納期遵守を優先するあまり、必要な検討が成されないまま下流工程に流れていくとその曖昧さが工数増大を引き起こします。

そもそもプロジェクトがローンチした時に意義のないものが出来上がってしまう可能性もあります。

ただし、時間(=予算)は有限です。遅延は挽回しなければいけません。過ぎた時間は取り戻せないので吸収するのは下流工程なんですね。

言い訳できない。

金型はバーチャル(設計図)とリアル(成形品)になる接点であり、初めて現物として姿を表す工程です。

設計ではすぐデータ修正できることも、金型を修正するにはまず金型をバラし、部品を追加工(もしくは再加工)、測定し、再度型組みし、再成形。寸法が出るまでこれを繰り返す。

途方に暮れる一仕事。

ソフトウェアテストは、ソースコードを単体をチェック、結合して機能をチェック、トータルで流れをチェック、上流工程では許された曖昧さが露呈する工程です。

共に形に現れる工程の故、言い訳ができません。(まあそこには喜びもあるんですけどね)

優秀な人が集まらない、投じられない

以上のようなお金や優秀な人材は一般的に付加価値の高い工程(≒上流工程)に投入され、下流工程に投入されることはありません。

本人自身も表面的に判断してしまうとやりたくはありませんね。

優秀な人材に下流工程のルーティンワークを強いることで、退職リスクが高まります。

逆に考えるとだからチャンス!

 上流工程は進化し、下流工程は取り残されていく。つまり見方を変えると手付かずのブルーオーシャンです。

不足しているのは3つです。
優秀な頭脳(人)
②適切な設備投資(モノ)
③上記に伴うコスト(カネ)

こうした状況に例えば、旧帝大理系人材を採用、配属し、最新のソフトウェア、ハードウェアに投資し、効果に見合う報酬を与えれば急速に改善が進みますね。

INCSでも、SHIFTでも同じ方法をとり業界を改革していきました。

一番大切なこと

彼らはとても優秀、適切な設備投資も万全でしたがこれだけでは成功しません。

いくら報酬が高くても、途中でつまらないと投げ出す人もいるし、困難にぶち当たり逃げてしまう人もいます。最新の最新のソフトウェア、ハードウェアに投資しても使いこなせないことだってあります。

なので、もっとも大切なこと=泥臭いことをやり切る力。

究極これだけあれば他に要らないかもしれません。

新卒採用で今だに学歴で判断されがちなのは学生までに物事を投げ出さず、逃げずにやり切っている確率が高いからです。

さいごに

いかがでしたでしょうか

私はたまたま乗ったBusが良く、両創業者の目の付け所が鋭く、やり切る力を持っている方々でした。

大切なものは何か?仕事を通して勉強させていただきました。

みなさまの今後のキャリアの参考になれば幸いです。

以上、誰もやりたがらないことに【宝の山】は眠っているという話でした。

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